果てしないお食事のお話

かつて、こんなに他人の普段の食生活の詳細を把握したことがあっただろうか。

ママは食べることが好きだ。
食べ物の話がよく出てくるし、お客さんに積極的に外食に連れて行ってもらおうとする。
ときには「なかなか連れて行ってくれないから自分で電話しちゃいましたよ。」といって自ら予約をとってしまう。
連れて行ってもらうにも関わらず。

そんな彼女は、土曜にまとめて買い物を済ませ、それを一週間で消化する。
それを逐一報告してくる。

タイムスケジュールから説明すると、朝ご飯が14時、夜ご飯が17時。出勤が20時。家に帰って2時にクッキーという流れだ。

とにかく牛肉が好きだ。
「好きな食べ物は牛肉」
その選択に一寸の迷いも無い。
男子中学生のようではないか。
日曜から水曜はまとめて買った牛肉を少しずつ焼いて食べる。
つけあわせにポテトとたまにきのこを焼く。
水曜には牛肉を使い切ってしまう為、あとの木金は豆腐しか残っていないのとしょんぼりする。
目黒に住んでいるのだ、いくらでも買い足しに行けるだろうに。
あとハムが好きだ。土曜に肉屋で塊のハムを7枚スライスしてもらい、毎朝(午後2時だが)1枚食べる。
豆乳も好きだ。「豆乳はちゅうちゅう飲みますよ。」と度々言っている。ただ、しきりに「あの茶色いパックの100円くらいの」と言っている為、飲んでいるのは麦芽コーヒーなのではないか疑っている。
そして「なんでも100円くらいの安いスーパーで夜2時までやっている」というなんとか市場というスーパーを多用し、ここでバナナ4本入りを買い、1日1本食べて3日目に残った1本を捨てる。
あと1日くらい持つのになぁと勿体なく思うが、ワールドではそういうことになっているのだからしょうがない。

納豆もよく食べているようだ。
ママの納豆には実に色々な薬味が入っており、非常に魅力的である。
私はこの話を聞いているとお腹が空く。

ただ納豆ご飯の利点を「噛まなくてもいいところよね。」と同意を求められたのにはさすがに賛同しかねた。
飲み下すものであるらしい。

こうして、私は彼女の主治医並みに食生活についての正確な情報を得ることとなった。
主治医としては、できれば、納豆ごはんも噛んでほしい。